千葉県柏市 株式会社ダイヤモンド建設様(仮名)

職種 建設業
従業員 4人
負債総額 約1億円
債権者数 15人
担当弁護士 大澤一郎

建設業を営む会社です。

公共工事の減少や親会社の業績不振により破産を決断しました。会社及び社長が自己破産を申立しました。

社長の営業能力・人脈が強い会社だったので、社長は破産手続終了後、別会社(建設業)を設立しました。

金融機関等の負債もなくなり、社長は人生の再スタートをすることができました。

事例のポイント

  • 社長の営業能力・人脈が強かったので同じ業種を続けることができました。
  • 在庫・資産のほとんどない会社だったので、別会社を作ることについて裁判所が指摘する問題点がありませんでした。
  • 取引先に迷惑をかけにくい時期に弁護士事務所から破産する旨の通知を発送し、また、時期を選んで裁判所に申立をしました。
  • 裁判所での債権者集会は1回で終了。管財人との打ち合わせも1回で終了しました。

本解決事例についての質問と回答・解説

Q. 別法人を設立して同じような仕事を続けることはできますか。

A. 可能です。ただし、建設業の場合、許認可が必要なこともありますので注意しましょう。

本解決事例の用語説明

債権者集会

裁判所で裁判官が司会進行をする手続きです。

「集会」という名前になっていますが債権者が誰もこないことも多いです。

比較的淡々と手続きが進んでいきます。

管財人

財産の管理・処分や様々な調査を行う裁判所の代わりのような人です。

中立な立場の弁護士から選ばれます。

本解決事例に関連する質問と回答・解説

Q. 建設業の破産の場合に注意するポイントはどのようなポイントですか。

A. 次のような点に注意しましょう。

途中の工事

工事の途中で破産をしてしまうと、関係者に甚大な迷惑をかけることがありますので注意しましょう。

買掛金の支払

買掛金が大量に残っていると連鎖倒産の危険があります。

やむをえない場合は仕方ないですが、可能な範囲で取引業者に対して迷惑をかけないようにしましょう。

Q. 債権者集会は何回のことが多いですか。

A. 1回から数回のことが多いです。

  • ほとんど財産がなく、破産に至った経緯にも問題がない場合、債権者集会は1回で終了することが多いです。
  • 財産が多い場合、債権者集会は複数回となることが多いです。
  • 2回目以降の債権者集会は、3カ月に一度程度の割合で開かれることが多いです。

Q. 管財人との面談は何回位のことが多いですか。

A. 1回のことが多いです。
ただし、財産が多いような場合には1回では終わらないこともあります。

Q. 会社をたたむときにはどのようなことに注意すればよいですか。

A. 会社をたたむ時、検討すべき10項目を参考にして下さい。自宅、今後の収入、現在の仕事、社長個人の債務、従業員、取引先、連帯保証人、車などが検討すべき項目です。

また、破産以外の方法ができないかという点の検討、破産をしない方がむしろよいのではないかという点の検討も必要です。

Q. 会社破産の手続きの流れはどのような流れですか。

A. 会社破産手続きの流れを参考にしてください。

弁護士への相談、弁護士への依頼、申立の準備、裁判所への申立、管財人との面談、債権者集会、会社消滅・破産手続終了という流れで進んでいきます。

Q. 会社の破産以外の解決方法はありますか。

A. 破産はせずに会社をそのまま残しておくという方法もあります。
また、ある程度規模の大きい会社という前提になりますが、民事再生という方法もあります。

Q. 破産手続きが終わった社長の感想で多い感想はどのようなものですか。

次のような感想が比較的多いです。

  • 「返済を気にしなくてよくなったので安心した」
  • 「破産をすることに決めてすっきりした」
  • 「破産の手続が終わってみると、何でもっと早くしなかったのかと思う」
  • 「思っていたよりも簡単だった」
  • 「予想していたよりも取引先が優しかった」
  • 「予想していたよりも従業員トラブルにならなかった」
  • 「破産の相談を弁護士にする前が一番つらかった。破産することに決めたら気持ちがすっきりした」

  • プライバシー保護のため、所在地・法人名・従業員数・負債総額・債権者数その他事実関係は、事例の趣旨に影響を及ぼさない範囲で変更してあります。