千葉県柏市 株式会社加瀬運社様(仮名)

職種 運送業
従業員 2人
負債総額 7,000万円
債権者数 4社
担当弁護士 大澤一郎

運送業を行う株式会社です。

トラックを複数台所有されていました。石油価格の高騰と社長の病気が理由で破産を決断しました。

会社及び社長が自己破産申立しました。社長は自宅を所有していましたが、時価が1000万円程度だったので、親戚に依頼して親戚が不動産を購入しました。

親戚から不動産を借りることで同じ場所に住むことができました。

事例のポイント

  • 自宅の評価額が1,000万円程度だったので、親戚が一括払いで不動産の時価を準備することができました。
  • 社長は年金とアルバイト収入で生活の再建をすることができました。
  • 弁護士費用については過払い金の返金があったので、過払い金の中から弁護士費用の大部分を支払い、自己負担分の弁護士費用はほとんどありませんでした。
  • 親戚が住宅を購入する場合、住宅ローンは通らないことが多いですが、親戚が一括払いで支払いが可能な場合には、金融機関と不動産の任意売却を交渉することにより、あっさりまとまることも多いです。

本解決事例についての質問と回答・解説

Q. 親戚が不動産を買い取るとはどういうことですか。

A. 破産をした人が持っている自宅は原則としてなくなります。
ただし、時価で不動産を購入してくれる人がいれば、その人に売却をすることは手続きを適切に行えば可能です。
例えば、不動産の時価が1,000万円の場合、1,000万円を準備してくれる親戚が入ればその親戚に不動産を売却することが可能です。
自宅を親戚に売却後、その親戚から不動産を借りることができれば、自宅に住み続けることも可能です。

Q. 住宅ローンを組んで親戚が自宅を買い取ることは可能ですか。

A. 住宅ローンの審査が通らないため難しいことが多いでしょう。
銀行にはそれぞれ住宅ローンの審査基準があります。
自分が住むためでなければ住宅ローンの審査は通らないことが多いです。

Q. 過払い金請求と自己破産申立の順番はどのようになりますか。

A. 過払い金で弁護士費用を準備する場合、過払い金請求を先行します。
過払い金を債権者に配当する場合には、過払い金請求を先行する場合もありますし、自己破産を先行する場合もあります。

Q. 破産をすると運送業で利用していたトラックはどうなりますか。

A.

ローンが残っているトラックの場合

債権者などが引き揚げをすることが多いです。

ローンが残っていないトラックの場合

売却した上で売却代金を債権者に配当することが多いです。

本解決事例の用語説明

過払い金

消費者金融に払いすぎた利息です。2010年以前から借り入れがある場合、払いすぎた利息がある可能性があります。

任意売却

抵当権(担保)が付いている不動産について、銀行などの同意を得た上で不動産を売買する方法です。通常の売買契約に加えて銀行などの同意が必要です。

本解決事例に関連する質問と回答・解説

Q. 過払い金は年何パーセント以上の利率の場合に発生する可能性がありますか。

A. 次の場合に発生する可能性があります。

  • 元本が10万円未満 年20%を超える利率の場合
  • 元本が10万円以上から100万円未満 年18%を超える利率の場合
  • 元本の金額が100万円以上 年15%を超える利率の場合

Q. 過払い金はショッピングの借入でも発生しますか

A. 発生しません。

商品の購入(ショッピング)の場合

利息制限法の適用がありません。過払い金は発生しません。

お金の借入(キャッシング)の場合

利息制限法の適用があります。過払い金が発生する可能性があります。


  • プライバシー保護のため、所在地・法人名・従業員数・負債総額・債権者数その他事実関係は、事例の趣旨に影響を及ぼさない範囲で変更してあります。