千葉県 株式会社藍田東運送様(仮名)

職種 運送業
従業員 20人程度
負債総額 約1億円
債権者数 約30社
担当弁護士 村岡つばさ

藍田様(仮名)は、50代の会社代表者です。

千葉県内に本店所在地のある藍田東運送(仮名)は、営業不振等により、多額の債務を抱えていました。

銀行への返済のリスケジュール、税金の分納等の調整を行いましたが、数カ月後には資金ショートしてしまう状況でした。

このような状況の中で、代表者である藍田様(仮名)が当事務所にご相談に来られました。藍田様(仮名)の意向は、できるだけ取引先・従業員に迷惑をかけない形で会社を畳みたいというものでした。

ご相談の後、正式にご依頼いただき、当事務所にて破産の申立てを進めることとなりました。

営業中の法人で、取引先・従業員も相当数おりましたが、スケジュール策定・事前準備を入念に行った結果、円滑に破産申立てを行うことができました。

その後、裁判所より選任された破産管財人の弁護士と共同で債権者対応等を行い、無事に破産が認められました。

弁護士よりコメント

法人破産は、①現在営業中の法人か、実質的に営業を行っていないか、②債務・財産の状況はどうか、③従業員は存在するか、等の諸要素を考慮して破産手続を進める必要があります。

特に、本件のように、営業中の法人であり、かつ取引先・従業員が相当数いる事案においては、破産準備をしていることを秘匿しながら、最低限必要な費用を確保し、早期に破産の申立てをすることが重要となります。

法人破産を行う場合、「最低限必要な費用を確保する」という観点は非常に重要になります。

申立てを行う弁護士への弁護士費用もありますが、裁判所に納めなければならない予納金というものもあります。千葉地方裁判所の場合、最低でも20万円が必要となります(2020年10月1日現在)が、法人の規模、取引先・従業員の数、営業所の状況(残置物が多いか等)、財産の種類・状況等により、20万円以上の予納金が要求されることも多いのが実情です。そのため、法人において、相当程度の現金・預金が確保できなければ、破産することも難しくなってしまいます。

本件でも、ご相談いただいた時点で資金ショートに近い状態にあり、通常通り返済をすると、上記の費用を確保するのも困難な状況でした。

また、藍田東運送(仮名)は税金の滞納もあったため、藍田東運送(仮名)の預金に即座に滞納処分がなされ、一瞬にして資金ショートしてしまう可能性もありました。

そのため、取引先から売掛金の入金があった時点で、営業に最小限必要な金額(給与等)を除き、当事務所の預り金口座にて現金を預かることで、破産の費用を確保しました。

また、法人の借り入れ、取引について、代表取締役が個人保証(代表者保証)をしていることも多いため、法人だけでなく、残念ながら代表者自身も破産しなければならないのが通常です。

本件でも、法人の借り入れにつき、藍田様(仮名)が個人保証を行っていたため、同時に破産を行う必要がありました。そのため、法人破産の準備と併せて、代表者個人の破産の準備も行いました。

取引先・従業員との調整につき、種々の工夫を行いましたが、文字数の関係から、ここでは割愛させていただきますが、契約中の取引につき、取引先の業務に支障が生じないように調整をしたり、労働者の生活保障の観点から、解雇予告手当の支給、未払賃金立替制度を早期に利用できるような準備、社宅をそのまま利用できるように賃貸人との調整等を行いました。

法人の将来に悩まれている方は、一度お早目に弁護士に相談されることをお勧めします。


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