1. 自宅

自宅が賃貸物件の場合には、会社や社長が破産をしたとしても大きな影響はありません。

家賃さえ支払いすればそのまま住み続けることが可能です。他方、自宅が持ち家の場合、

  1. 付いている担保(抵当権)の状況
  2. 会社の債務の連帯保証人に社長がなっているかどうか
  3. 社長の債務(借入)の額
  4. 第三者で資金の協力をしてくれる人がいるかどうか(任意売却)

等により方針が決まってきます。

例えば、知人で不動産を購入してくれる人がいれば、その人に不動産を売却した上で知人から不動産を借りるというような方法があります。

2. 今後の収入

今の事業を継続するかどうかによって変わってきます。事業自体は黒字という場合には、債務整理(破産)をしたとしても今の事業をどのようにすれば継続できるかどうかを考えるのが最優先です。

  1. 事業に必要な財産は何なのか
  2. 絶対に迷惑をかけてはいけない取引先はどこなのか
  3. 従業員は付いてくるのか

等を検討する必要があります。他方、 今の事業を継続しない場合には、

  1. 他社に就職する
  2. 当面は家族の援助を受ける

など、今後の収入をどのように得るかどうかがポイントになります。

3. 現在の仕事

現在の仕事について、破産をする場合にどのように終わりにするかどうかは重要な問題です。

ある日突然破産を裁判所に申立してしまったら、取引先・顧客・従業員に甚大な迷惑をかけてしまいます。破産をする以上、ある程度の迷惑をかけることは法律上も予定されていることですが、必要以上に迷惑をかけないよう、現在行っている仕事についてどのように終わりにするかどうかを検討する必要があります。

4. 社長の債務(借入)

会社(法人)の破産の場合、社長(代表取締役)の債務があるかどうかを検討する必要があります。

大多数の場合、法人の債務について社長が保証していますので、社長自身も何らかの法的整理が必要になることが多いです。社長個人の破産、社長個人の民事再生等の方法を検討する必要があります。


5. 従業員

今まで長年にわたって苦労を共にした従業員に対してはできる限り迷惑はかけたくないものです。また、給与が未払いとなってしまうと従業員自身も自己破産をしなくてはいけないかもしれません。

  1. 金融機関に対して受任した旨の通知を発送する時期
  2. 国の未払賃金立替払制度の利用(独立行政法人労働者健康福祉機構)
  3. 会社の財産(破産財団)から優先的に従業員が配当を受けられるような方法
  4. 従業員に伝える時期等を検討する必要があります。

6. 取引先

取引先には色々ありますが、今後事業を継続する場合は特に迷惑をかけたくない取引先があるはずです。

取引先を極端に不平等に扱うと裁判所・管財人から問題視されたり、裁判所での債権者集会が紛糾することがあります。取引先に対する法律上適正な支払いをどのようにするか、十分に検討する必要があります。


7. 連帯保証人

会社(法人)の破産の場合、社長個人が会社の借入の連帯保証人となっていることが圧倒的に多いです。また、その他社長の家族が連帯保証人となっている場合もあります。

親族が連帯保証人となっている場合、何も手当をせずに会社の破産をすると、親族に対して一括払いの請求が行きます。そのため、連帯保証人がいる場合には、破産をした際の家族への影響を十分に検討した上で手続を進めることが重要です。

8. 車

会社の破産、社長の破産の場合、車がどのようになるかという点も重要な問題です。

事業の再スタート、生活の再スタートをするためにはどうしても車が必要な場合があります。しかし、車の名義だけを変えると、裁判所から財産隠しであると指摘される危険性があります。

本当に車が必要なのかどうかを検討した上で、どうしても必要な場合には法律上適正な方法で車を利用し続ける必要があります。

9. 破産以外の選択方法の検討

会社を整理する場合、破産だけが選択肢ではありません。その他の債務整理(民事再生、清算等)の方法で解決できる場合もありますし、法的な整理をしない方法もあります。経験・実績が豊富な専門家であれば、破産以外の選択肢も提案できることがあります。


10. 破産をしない方がよい場合

負債を返済することができない場合であったとしても、法的な整理をしない方が望ましい場合もあります。今後の社長の人生の再スタートという観点からは、破産が望ましくない場合もあります。



ここでは、会社をたたむにあたって検討すべき10項目について解説しました。