最終更新日:2023年5月26日
債権者一覧表、財産目録、報告書などが必要となります。
目次
1. 必要書類の概要
- 資産・負債・取引などの契約関係が多く存在することが想定され、会社の状況等を把握する必要があります。
- そのため、法人破産申立ての際には色々な書類をご準備いただく必要があります。
- 具体的には、申立書、債権者一覧表、財産目録、報告書などが必要となります。
2. 具体的な必要書類
(1) 法人破産の申立てを行う場合、以下の書類等を裁判所に提出します。
- ①破産手続開始申立書
- ②破産申立についての取締役会議事録または取締役の同意書
- ③報告書
- ④債権者一覧表
- ⑤財産目録
- ⑥委任状
- ⑦その他
(2) そして、具体的には以下の証拠書類をご準備いただく必要があります。
- ①法人登記の全部事項証明書 (1ヶ月以内のもの)
- ②直近2期分の決算報告書
- ③不動産登記の全部事項証明書
- ④賃貸借契約書の写し
- ⑤預貯金通帳の写し (過去1年分全て)
- ⑥手形・小切手帳、受取手形・小切手
- ⑦車検証の写し
- ⑧有価証券の写し
- ⑨生命保険証券(保険証書)の写し
- ⑩リース契約書 の写し
- ⑪訴訟関係書類
- ⑫その他
これらの必要書類についてご説明いたします。
①法人登記の全部事項証明書 (1ヶ月以内のもの)
法務局で取得できる会社の登記です。
②直近2期分の決算報告書
- 法人破産のご相談をされる際には、会社の資産状況や債務の状況等を確認するために決算書をお持ちいただくことが多いです。決算書を確認すれば現金・預金、不動産や動産、リース物件、取引先等様々な情報を確認することができるためです。
- 裁判所に提出する債権者一覧や財産目録は、決算書を元にして作成することが多いです。
③不動産登記の全部事項証明書
- 会社名義の不動産を所有している場合、全部事項証明書をご準備いただきます。
- 抵当権等の担保がついていないかどうかの確認も行います。
④賃貸借契約書の写し
- 会社の営業所等が賃貸物件であるような場合、賃貸借契約書のコピーをご準備いただきます。
- 敷金・保証金等を支払っている場合、敷金・保証金が財産になることもありますので確認します。
⑤預貯金通帳の写し (過去1年分全て)
- 裁判所に対して預金通帳の写しを提出することになります。
- 通帳の取引履歴から、資産の有無や債権者、債務者がいないかなどを確認します。
⑥手形・小切手帳、受取手形・小切手
- 手形や小切手で取引を行っている場合、手形小切手帳をご準備いただきます。
- 法人破産は財産の散逸に要注意です。法人破産を検討されている場合には手形小切手を通常の取引以外には使用しないよう気をつけましょう。
- 受取手形、受取小切手は資産となりますので、裁判所に提出をします。
⑦車検証の写し
- 会社名義の車両を所有している場合、車検証の写しをご準備いただきます。
- 所有権留保がついていないかなどもあわせて確認をします。
- 車両の査定書の提出が必要となる場合もあります。
⑧有価証券の写し
- 有価証券を保有している場合、資料をご準備いただきます。
- 有価証券とは株券などのことです。
⑨生命保険証券(保険証書)の写し
- 会社名義で加入されている保険がある場合、証券や証書をご準備いただきます。
- 解約返戻金がある場合、会社の資産となりますので有無を確認したりします。
- 証券以外に解約返戻金の額が記載された保険会社作成の書類を提出することもあります。
- また、生命保険以外の保険の場合でも、解約返戻金は資産となります。そのため、解約返戻金のわかる保険契約の資料の提出が必要となります。
⑩リース契約書 の写し
- 自動車等の車両やプリンター複合機などをリースで使用していた場合、契約書をご準備いただきます。
⑪訴訟関係書類
- 会社が訴訟等の裁判所手続きに継続している場合、資料をご準備いただきます。
⑫その他
次のような財産がある場合、写真や査定書などの資料を提出する必要が出てくることがあります。
- 在庫、什器備品に関する資料
- ゴルフ会員権証書の写し
- 電話加入権に関する資料
また、法人破産を行う場合、管財人(破産手続きを行う裁判所が選任した人)に引き継ぎを行うため、現金や預金通帳、会社の印鑑(社判、実印、銀行印)をお預かりすることが多いです。
3. まとめ
- 法人破産は、会社がまだ営業を続けているようなケースの場合であれば、迅速に申立てを行い、裁判所や管財人に引き継ぐ必要があります。
- スムーズに手続きを進めていくためには、必要な書類をしっかりと集めて会社の状況を裁判所と管財人に報告できるようにしておくことが重要です。
(監修者:弁護士 加藤貴紀)