最終更新日:2023年5月26日
破産・個人再生の場合、国が発行する雑誌である官報への掲載が法律上義務付けられています。住所・氏名等が記載されます。
目次
官報とは
- 官報とは政府が発行する刊行物です。
- 官報は図書館で閲覧をすることが可能です。インターネット官報というサービスもあります。
- 官報は普通の書店では官報は販売していません。
- 破産・個人再生の場合、官報には破産・個人再生をした人の住所・氏名等が掲載されます。
- 任意整理の場合、官報には掲載されません。
- 過払い金請求の場合、官報には掲載されません。
- いわゆる「ブラックリスト」(信用情報機関の情報)とは異なります。
官報を見ている人はいますか?
- 通常の人が見ることはほとんどありません。おそらく、日本国民のほとんどの人が官報という雑誌を見たことがないでしょう。
- 金融機関その他特殊な職場の場合、従業員が官報に掲載されていないか確認していることがあります。通常の職場では官報を見ている人はいないので職場に自己破産・個人再生の事実が発覚する確率は低いでしょう。
- 通常、官報に掲載されるとしても、実際上のデメリットはほとんどありません。
- ただし、いわゆる「ヤミ金融」の業者は官報の資料を基にして破産・個人再生をした人にダイレクトメールを送付することがありますのでご注意ください。
官報に掲載される情報とは
官報に記載される情報は比較的簡単な事件(同時廃止事件)の場合以下の通りです。
- 事件番号:令和〇〇年(フ)第〇〇〇号
- 住所:〇県〇市〇〇(実際の住所が記載されます)
- 氏名:債務者 〇〇 〇〇
- 決定年月日時:令和○○年○月○日
- 決定の内容等:主文・理由の要旨・免責意見申述期間等
- 裁判所名:○○地方裁判所民事第○部(裁判所によって異なります)
個人再生の場合、官報に記載される情報は以下の通りです。
- 事件番号:令和〇〇年(再イ)第〇〇〇号
- 住所:〇県〇市〇〇(実際の住所が記載されます)
- 氏名:債務者 〇〇 〇〇
- 決定年月日時:令和〇年〇月〇日
- 決定の内容等:主文・理由の要旨等
- 裁判所名 〇〇地方裁判所民事第〇部(裁判所によって異なります)
住所・氏名が基本的に掲載される情報であり、それ以上の細かい内容までは掲載はされません。自己破産・個人再生の場合、最初と最後の2回掲載されることが多いです。官報への掲載を拒否することはできません。
インターネット官報とは
- インターネット版官報というサイトがあります。インターネット版官報では最新の官報が閲覧できます。そのため、インターネットで自分の名前を検索すると官報の情報が一時的に出てしまうことがあります。
- また、悪意をもって官報の情報を集めてWEBサイトにアップするなどの行為が過去に行われたことがあり、今後も行われる可能性があります。
- 官報は基本的に読む人はいないとしても、WEB上に破産・個人再生の情報が出ることを100%確実絶対に防げるとはいえません。
- そのため、特殊な事情がありどうしても官報への記載は望まない場合、任意整理をお勧めします。任意整理の場合100%官報へは記載されません。
まとめ
- 官報への掲載を過度に気にして破産手続き、個人再生手続をしないことはやめましょう。
- ただし、100%確実に官報に掲載がされたくないという場合には、任意整理という方法があります。
(監修者:弁護士 大澤一郎)