過払い金請求権は原則として取引終了から10年で時効となります。そのため、取引終了時から10年以上経過した場合、過払い金請求ができなくなる可能性が相当程度あります。完済した業者に対する過払い金請求を検討してい方はなるべく早急の手続きをお勧めします。
なお、取引終了時から10年以上経過した場合、不法行為を理由として別途過払い金請求をすることが可能な場合がありえます。以下においては、取引終了後10年以上経過した場合の過払い金請求の方法の参考の主張を記載します。
ただし、取引終了後10年以上経過した過払い金請求には法的な問題点が多数ありますので、詳細は弁護士等の法律の専門家にご相談ください。

参考の主張例

第1 請求の趣旨

  1. 被告は、原告に対し、金~円及びこれに対する平成~年~月~日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  2. 訴訟費用は被告の負担とする。との判決及び請求の趣旨第1項について仮執行の宣言を求める。

第2 請求の原因

  1. 原告と被告との取引関係
    1. 原告は被告との間において、昭和~年~月~日から平成~年~月~日まで、別紙計算書の取引を継続した。(以下「本件取引」という。)
    2. 原告と被告との間で締結された金銭消費貸借契約の利率は不詳であるが、利息制限法第1条所定の利率を越えることは明らかである。そこで、これを同法所定利率で元利充当計算を行ったところ、別紙計算書記載の金額の過払い金が発生する。
  2. 原告・被告間の取引が不法行為となる根拠
    1. 貸金業法の施行時期を根拠とする不法行為(神戸地方裁判所平成19年(レ)第31号・平成19年11月13日判決・名古屋高等裁判所平成19年(ネ)第1048号・平成20年2月27判決参照)
      1. ア. 貸金業法が施行されたのは昭和58年11月1日である。
      2. イ. 本件取引開始時(昭和~年~月~日)には貸金業法は未だ施行されていなかった。
      3. ウ. 貸金業法附則第6条第1項は、貸金業者がこの法律の施行前に業として行った金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約に基づき、この法律の施行後に、債務者が利息として金銭を支払ったときは、当該支払については、貸金業法第43条第1項及び第2項の規定(みなし弁済の規定)は適用されないとしている。
      4. エ. そのため、本件取引に貸金業法が適用される余地はない。
      5. オ. したがって、本件取引において、超過利息の支払が貸金業法により有効な債務の弁済とみなされる余地は全くなかった。
      6. カ. にもかかわらず、本件取引では利息制限法の利率を超える利息の支払いが実際になされている。
      7. キ. とすれば、被告は本件取引においては、利息制限法超過利息が支払われても、それを利息制限法所定の利率に引き直して債権管理を行うべきであったといわざるをえない。
      8. ク. 被告が利息制限法超過利息分を請求する行為・過払い金となる弁済金を受領する行為は、原告の無知に乗じ、適法に保持し得ない金員を収受するものというべきであり、社会的相当性を欠く違法な行為である。
      9. ケ. したがって、被告が、利息制限法超過利息分を請求する行為・過払い金となる弁済金を受領する行為は不法行為となる。
    2. 架空請求の不法行為(札幌高等裁判所平成18年(ネ)第303号・平成19年3月8日判決、大阪高等裁判所平成19年(ネ)第676号・平成19年7月31日判決参照)
      1. ア. 原告・被告間の本件取引の開始時期が貸金業法施行前・貸金業法施行後のいずれであっても、被告の行為は不法行為となる。
      2. イ. 被告は、本件取引において過払い金が発生した時点において、原告からの金銭の受領が法律上の原因を欠く金員の受領であることを知っていた。(または知るべきであった。)
      3. ウ. にもかかわらず、本件取引では利息制限法の利率を超える利息の支払いが実際になされている。
      4. エ. とすれば、被告は本件取引においては、利息制限法超過利息が支払われても、それを利息制限法所定の利率に引き直して債権管理を行うべきであったといわざるをえない。
      5. オ. 被告が利息制限法超過利息分を請求する行為・過払い金となる弁済金を受領する行為は、原告の無知に乗じ、適法に保持し得ない金員を収受するものというべきであり、社会的相当性を欠く違法な行為である。
      6. カ. したがって、被告が、利息制限法超過利息分を請求する行為・過払い金となる弁済金を受領する行為は貸金業法の施行時期と本件取引の開始時期の前後関係を問わず不法行為となる。
    3. 告知義務(説明義務)違反の不法行為(神戸地方裁判所平成19年(ワ)第2380号・平成20年5月1日判決参照)
      1. ア. 原告が被告に対して法的に不要な支払を行うことは原告の財産的利益を損なう行為である。。
      2. イ. 被告は、本件取引において過払い金が発生した時点において、原告からの金銭の受領が法律上の原因を欠く金員の受領であることを知っていた。(または知るべきであった。)。
      3. ウ. このような場合、被告に法律上保持が正当視されない金員を累積させていくことを漫然と座視し続けることなく、原告に当該支払が法律上不必要であることを告知する義務が被告にはある。。
      4. エ. にもかかわらず、被告が告知を行わず、漫然と原告からの支払を受け続けていたことは、違法な不作為を行い、原告の財産的な利益を侵害したものとして不法行為となる。
      5. オ. なお、上記告知義務違反(説明義務違反)の主張は、本件取引開始時期が貸金業法施行前・貸金業法施行後のいずれであっても該当する。被告が、本件取引において過払い金が発生した時点において、原告からの金銭の受領が法律上の原因を欠く金員の受領であることを知っていた(または知るべきであった)ことは、取引開始時期が貸金業法施行前・施行後のいずれであっても同様と考えられるからである。
  3. 不法行為構成における消滅時効・除斥期間について
    1. 原告が損害及び加害者を知ったのは、原告が原告代理人の法律相談を受けた平成~年~月~日又はその日以降である。
    2. そのため、原告の被告に対する損害賠償請求権が時効または除斥期間の規定に該当し、請求が認められないということはない。
  4. 結論よって、原告は被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求権として、下記の金員の支払いを求める。
    1. 過払金元本相当額~円
    2. 過払利息相当額(平成~年~月~日まで)~円
    3. 過払金元本相当額に対する平成~年~月~日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金

過払い金請求と時効については様々な問題点が存在します。過払い金請求と時効についての詳細は弁護士等の法律の専門家にご相談ください。