最終更新日:2023年5月26日
利息制限法違反のキャッシング取引の場合、過払い金返還請求ができます。
消費者金融・サラ金とは
- 消費者金融とは、主にカードローンなどの個人向け融資をしている会社です。
- サラ金とは「サラリーマン金融」の略です。消費者金融と同じような意味です。
利息制限法違反の取引とは
- 利息制限法とは利息の上限を決めた法律です。法律違反の利息は返還請求が可能です。
- 以下の利率を超えると法律違反となります。
- 元本の金額が10万円未満のときの上限金利 年20%
- 元本の金額が10万円以上から100万円未満のとき上限金利 年18%
- 元本の金額が100万円以上のときの上限金利 年15%
- 利息制限法はショッピング(商品の購入)には適用はありません。キャッシング(金銭借入)のみ適用があります。
- 利息制限法違反の取引は、通常は2010年6月より前に取引を開始した取引です。
(参考)利息制限法第1条(利息の制限)
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
- 一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
- 二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
- 三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分
過払い金返還請求の流れ
過払い金返還請求の流れは次の通りとなります。詳細は、過払い金返還請求の解説をご参照下さい。
- 法律事務所への問い合わせ
- 無料相談
- (過払い金がありそうな場合)貸金業者への弁護士名での通知の発送
- 利息制限法による再計算
- 交渉・訴訟
- 合意
- 解決・返金
過払い金返還請求の注意点
- 完済から10年以上経過した場合、過払い金請求ができなくなることがあります。(事案によっては10年以内でも請求ができなくなることがあります。)早急に請求をしましょう。
- 消費者金融・サラ金等が倒産した場合、過払い金返還請求ができなくなることがあります。早急に請求しましょう。
- 過払い金請求をすると信用情報機関(ブラックリスト)に掲載される可能性があります。請求する場合、事前に弁護士などの専門家に相談しましょう。
- 過払い金の計算方法については様々な見解があります。裁判所の判断も一律ではありません。貸金業者の主張する計算方法が本当に正しいかどうか確認しましょう。
- その他、過払い金返還請求をするとどうなるかについては、過払い金返還請求の解説をご参照下さい。
過払い金返還請求を自分でする方法
大変ですが、ご自身で過払い金返還請求をすることも可能です。通常は弁護士などの専門家に依頼する場合が多いです。ご自身でする場合、次の流れとなります。
- 過去の取引の証拠を貸金業者から取り寄せします。「取引履歴」などという名前の書類のことが多いです。
- 取り寄せした取引履歴について利息制限法違反の再計算を行います。名古屋消費者信用問題研究会のWEBサイトでは利息計算ソフトを無料でダウンロードできます。
- 利息制限法に基づく再計算をした結果、過払い金が発生している場合には貸金業者に過払い金返還請求をします。
- 業者と交渉をします。
- 業者と合意できた場合、合意書を作成します。合意内容に基づいた過払い金が返金されます。(一般的には弁護士が代理した場合の返金額より少ないことが多いです。)
まとめ
- 利息制限法を超える利率の取引の場合、過払い金発生の可能性があります。
- 2010年6月よりも前の取引の場合、利息制限法違反の取引の可能性があります。
- 完済から10年以上経過等の場合、過払い金返還請求ができなくなるので注意しましょう。
(監修者:弁護士 大澤一郎)