最終更新日:2023年5月24日
自己破産すると、次のようなことができなくなったり難しくなったりします。
- 新たな借入れが困難となる
- 連帯保証人になることが困難となる
- 不動産の賃貸借契約の審査に通りにくくなることがある
- 債権者に対して返済することができなくなる
- 一定の例外を除き、財産を保持することができなくなる
- 利用中の預金口座が凍結され、一定の期間入出金ができなくなることがある
- 取締役や監査役を続けることができなくなる
- 破産手続中は裁判所の許可なく引っ越しや海外渡航ができなくなる
- 破産手続開始から免責許可までの間できない仕事がある
- 免責許可決定が確定してから7年間、再び自己破産をすることが困難となる
- 免責許可決定が確定してから7年間、給与所得者等再生という個人再生を利用できなくなる
目次
- 新たな借入れが困難となる
- 連帯保証人になることが困難となる
- 不動産の賃貸借契約の審査に通りにくくなることがある
- 債権者に対して返済することができなくなる
- 一定の例外を除き、財産を保持することができなくなる
- 利用中の預金口座が凍結され、一定の期間入出金ができなくなることがある
- 取締役や監査役を続けることができなくなる
- 破産手続中は裁判所の許可なく引っ越しや海外渡航ができなくなる
- 破産手続開始から免責許可までの間できない仕事がある
- 免責許可決定が確定してから7年間、再び自己破産をすることが困難となる
- 免責許可決定が確定してから7年間、給与所得者等再生という個人再生を利用できなくなる
- まとめ:自己破産するとできなくなること
新たな借入れが困難となる
自己破産した場合、いわゆるブラックリストと呼ばれる信用情報機関に登録されます。約5~10年は新しい借入が困難です。
なおブラックリスト掲載中でもお金を貸してくれる業者は一定数存在します。
しかしそれらの業者にはいわゆる「ヤミ金」が多く含まれています。「ヤミ金」には手を出さないようにしましょう。
連帯保証人になることが困難となる
自己破産をした人が新たに別の人の借入れの連帯保証人になることが困難となります。自己破産をした情報が信用情報に登録されるためです。
不動産の賃貸借契約の審査に通りにくくなることがある
自己破産手続き後に不動産を新しく借りることはもちろん可能です。不動産の賃貸借契約の審査に一切通らないわけではありません。
よつば総合法律事務所にて自己破産手続きをした方も、新しい賃貸借契約を結べています。
しかし保証会社が審査する場合、賃貸借契約の審査が通りにくいことがあります。
債権者に対して返済することができなくなる
自己破産手続きは債権者を平等に扱わなければいけません。そのためある債権者には返済し、別の債権者には返済しないという対応はできません。
ご親族と金融機関両方からの借入がある相談者から、どうしても親族だけには返したいというご相談をいただくことがあります。
しかし債権者平等の原則に反するような対応は行うべきではありません。
一定の例外を除き、財産を保持することができなくなる
自己破産すると基本的には財産を失います。持っている財産を失う代わりに、借金もなくなると考えると分かりやすいです。
自宅などを所有している場合には、原則自宅を失います。
ただし破産手続きで全ての財産を失うわけではなく、総額99万円までの財産は持っていてもよいという決定が出ることが多いです。
利用中の預金口座が凍結され、一定の期間入出金ができなくなることがある
借入がある銀行に預金口座を持っているときは要注意です。
債務整理をスタートするという通知である受任通知を弁護士が銀行に発送すると、預金口座にある預金が凍結され入出金ができなくなることが多いです。
この凍結は一定の期間経過後に解除となることが多いです。
また預金口座に残高がある場合、預金と借入金を銀行が相殺することがあります。預金口座の残高が0になってしまいます。
取締役や監査役を続けることができなくなる
破産手続開始の決定が裁判所から出た場合、取締役や監査役を一度退任する必要があります。
その後、再度の株主総会決議等を行い取締役や監査役を選任することは可能です。ただし手続きが少し複雑になります。
破産手続中は裁判所の許可なく住居移転や海外渡航ができなくなる
あくまでも破産手続き期間中だけですが、引っ越しや海外渡航には裁判所の許可が必要です。
なお裁判所はきちんと資料を提出すれば、引っ越しを問題なく許可します。
破産手続開始から免責許可までの間できない仕事がある
破産手続開始決定から免責許可決定が確定するまでの間、公的な資格を使った仕事等ができないことがあります。
制限される職種は多岐にわたります。ご自身の職種が制限を受けるかの確認をおすすめします。
代表的な制限を受ける例として、警備員、生命保険募集人、宅地建物取引士があります。
免責許可決定が確定してから7年間は、再び自己破産をすることが困難となる
免責許可決定確定日から7年以内に自己破産を申し立てた場合、その申立て自体が免責不許可事由となります。免責不許可事由とは借金が0にならない理由のことです。
どうしてもやむにやまれぬ事情がある場合などにおいて、7年以内の免責許可が認められる余地は0ではありません。ただし7年以内の再度の自己破産は基本的には極めて難しいと考えましょう。
免責許可決定が確定してから7年間は、個人再生の給与所得者等再生を利用できなくなる
免責許可決定確定日から7年以内は、給与所得者等再生という個人再生手続きを申し立てることはできません。
したがって、免責許可決定が確定してから7年以内に個人再生を利用する場合には、小規模個人再生という個人再生手続きを選択することになります。
まとめ:自己破産するとできなくなること
自己破産すると次のようなことができなくなったり難しくなったりします。
- 新たな借入れが困難となる
- 連帯保証人になることが困難となる
- 不動産の賃貸借契約の審査に通りにくくなることがある
- 債権者に対して返済することができなくなる
- 一定の例外を除き、財産を保持することができなくなる
- 利用中の預金口座が凍結され、一定の期間入出金ができなくなることがある
- 取締役や監査役を続けることができなくなる
- 破産手続中は裁判所の許可なく引っ越しや海外渡航ができなくなる
- 破産手続開始から免責許可までの間できない仕事がある
- 免責許可決定が確定してから7年間、再び自己破産をすることが困難となる
- 免責許可決定が確定してから7年間、給与所得者等再生という個人再生を利用できなくなる
自己破産によりできなくなることはありますが、自己破産によって借金をゼロにするという大きなメリットを受けることができます。
また、任意整理や個人再生など別の借金整理の方法を選択することによりデメリットを回避できることもあります。
まずは、借金の整理について詳しい弁護士に一度相談してみましょう。
(監修者:弁護士 松本達也)