最終更新日:2023年5月26日

  1. 負債は原則としてなくなります。
  2. 財産も原則としてなくなりますが、99万円以下の財産は残せることがあります。

目次

自己破産すると負債はどうなる?

  • 自己破産をした場合、借金・負債はゼロになります。銀行やクレジットカード利用分の借金もゼロになりますし、個人から借入の借金・負債もゼロになります。
  • ただし、次のような借金・負債はゼロになりません。
    1. 税金
    2. 社会保険料
    3. わざと相手に損害を与えた場合の損害賠償
    4. 故意又は重過失で人の生命又は身体に損害を与えた場合の損害賠償
    5. 養育費
    6. 婚姻費用(結婚中の生活費)
    7. 破産者が知りながら破産申立の債権者名簿に記載しなかった請求権(ただし、破産手続を債権者が知っていた場合は免除されます。)

自己破産すると財産はどうなる?

自己破産すると持っている財産は基本的にはなくなります。ただし、一部持っていてもよい財産があります。具体的には合計で99万円以下の財産は残せることがあります。

また、①自宅、②預貯金、③車、④保険、⑤現金、⑥家財道具、⑦退職金など個別の財産に応じて個別に扱いが異なることがあります。

自己破産するとデメリットは何がある?

  • クレジットカードが使えなくなります。また、5年から10年間は新しいクレジットカードの作成が難しいです。
  • 官報に氏名・住所が掲載されます。官報を見ている人は通常は少ないですが、インターネットに氏名・住所などが掲載される危険があります。
  • 破産手続開始決定から免責許可決定の確定までの間、一定の資格制限があります。例えば、警備員、宅地建物取引主任者などの資格制限があります。
  • 連帯保証人がいる借入の場合、連帯保証人に一括払いの請求がいきます。

自己破産のよくある勘違い

Q.職場にばれますか?

A. 原則としてばれることはありません。

Q. 破産をしたら仕事をやめなければいけませんか?

A. やめる必要はありません。

Q. 破産をすると債権者・業者から取立がきて大変ですか?

A. 弁護士が代理した旨の通知(受任通知)を出せば、その後の取立は止まります。

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ご相談から解決までの流れ

Q. 放置しておいた方が楽ですよね?

A. 借金を放置していても問題は解決しません。最終的には自己破産をしなければいけないことも多いです。借金問題は放置せず早めの解決を目指しましょう。

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借金問題解決への道

Q. 破産したら引っ越ししなければいけませんか?

  • A. 賃貸物件を借りている場合、賃料滞納がなければ引っ越しする必要はありません。
  • 不動産を所有している場合、不動産を手放さなくてはいけませんので引っ越しする必要があります。

Q. 99万円以内の財産は必ず持ち続けることができますよね?

A. 破産した場合に持っていてもよい財産は、裁判所の許可が出た範囲に限られます。合計99万円まで許可が出ることが多いですが、必ず99万円まで許可が出るわけではありません。

Q.自己破産は人生で1回しかできませんか?

  • A. 2回目以降の自己破産も可能です。
  • ただし、前回の破産手続きから7年以内の破産申立は免責不許可事由となっていて審査が厳しくなります。また、7年以上経過していても2回目以降の破産手続きは審査が厳しくなることが多いです。

Q.ギャンブルで増えた借金の場合、破産は無理ですか?

  • A. 無理ではありません。
  • ただし、ギャンブルで借金が増えた場合には破産の審査が厳しくなることが多いです。また、借金に占めるギャンブルの比率が高いと、破産をしても借金がゼロにならないことがあります。そのような場合、個人再生や任意整理を行うことをお勧めします。
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Q. 破産をすると家族に影響は出ますか?

  • A. 影響は出ません。
  • ただし、家族が連帯保証人になっている場合、家族に一括払いでの請求がいくこととなります。

Q. 弁護士なしで自分でも自己破産申立はできますか?

A. 不可能ではありません。ただし、弁護士が代理していない自己破産申立の場合、裁判所の審査が厳しくなったり、裁判所の手数料が高くなったりする傾向にあります。そのため、自己破産申立は弁護士に依頼した方がよいでしょう。

Q. 会社(法人)が破産します。社長(代表者)の私も破産が必要ですか?

A. 通常は社長も破産が必要です。ただし、①社長に負債がない場合、②社長が個人再生申立が可能な場合などは社長が破産する必要はありません。

まとめ

  • 自己破産をすると、負債は原則なくなります。
  • 自己破産をすると、財産も原則としてなくなります。ただし、99万円以下の財産は残せることがあります。

(監修者:弁護士 大澤一郎