最終更新日:2023年5月22日
借入をした人が自己破産すると、連帯保証人に全額一括払いの請求がきます。連帯保証人が支払うことが難しいときは連帯保証人も債務整理を検討しましょう。
目次
連帯保証人とは
そもそも連帯保証人とは何でしょうか?保証人は借金をした本人が返済しなかったときに借金を返済する責任を負う人です。
そして連帯保証人は保証人より責任が重いです。
通常の保証人と異なり「まず借金をした本人のほうに請求して欲しい」「借金をした本人は弁済する資力があって執行も容易なのだから、先にそちらから執行して欲しい」といえません。
連帯保証人の責任は非常に重いです。本人とほぼ同様の責任を連帯保証人は負います。
「絶対に迷惑はかけません」と言われても迷惑はかかります
「絶対に迷惑はかけません」と本人から言われて連帯保証人を頼まれることがあります。
借金をした本人が全く滞りなく支払っているのであれば、迷惑がかかることはほとんどありません。
しかし本人の支払いが滞ったときは事情が異なります。借金をした本人が連帯保証人に迷惑をかけないよう奔走しても、連帯保証人に請求はきます。連帯保証人に迷惑がかかります。
自己破産のときは連帯保証人に全額請求
借入をした人が自己破産した場合、連帯保証人はどうなるのでしょうか?
破産した人の借金はなくなります。自己破産の手続きが終わる前でも、自己破産手続きを進めていれば業者からの請求はストップします。
一方、連帯保証人に請求がきます。
債権者からすれば、借金をした本人の支払いが危ういときの備えとしての「保証」です。債権者が連帯保証人に請求するのは当然です。
しかも全額一括払いを債権者は通常求めます。借金の元本だけでなく利息や遅延損害金などの支払も債権者は求めるでしょう。
連帯保証人に請求がきたときは債務整理も検討
では連帯保証人に請求がきたとき、連帯保証人はどうすればよいでしょうか?
一括で返済できれば、当然支払義務はなくなります。しかし一括払いの資金を工面するのは難しいことが多いでしょう。
分割払いの交渉に応じる債権者もいます。まずは交渉を試みましょう。
直接交渉しても解決できないときは、連帯保証人も債務整理を検討しましょう。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があります。各方法にはメリット、デメリットがありますので専門家に相談しましょう。
失敗する前にお読みいただきたいQ&A
Q. 連帯保証人がいるかはっきりしません。どうすればよいですか?
債権者に聞いてみましょう。債権者から契約書などのコピーをもらえばより確実です。
Q. 破産したら家族が代わりに借金を支払わなければいけませんか?
支払う必要はありません。破産者の家族や親族だから当然に借金の支払義務を負うものではありません。家族や親族だから何の手続きをすることなく自動的に連帯保証人になっていることもありません。
あくまで連帯保証人として署名や捺印をしたかにより支払義務の有無が決まります。
Q. 連帯保証人が家を持っています。連帯保証人が支払できないときには家を失いますか?
家を失う可能性があります。個人再生や任意整理など、自宅を失わない債務整理を検討しましょう。
Q. 株式会社を経営しています。会社だけ破産して社長の私は破産しないという解決はできますか?
社長個人の借金がなければ可能です。ただし、社長は会社の借入の連帯保証人となっていることが多いです。社長が連帯保証人のときは社長も破産などの債務整理が必要でしょう。
Q. 破産するときは事前に連帯保証人に伝えておいた方がよいですか?
伝えておくのが無難です。検討する時間が多ければ、連帯保証人ができる選択肢も増えることが多いです。
Q. 連帯保証人にはならない方がよいですか?
はい。できるだけ連帯保証人にはならない方がよいです。
Q. どうしても連帯保証人にならなくてはいけません。どうすればよいですか?
上限がいくらの保証かを確認しましょう。上限額を大幅に超えて請求されることは少ないです。
まとめ:自己破産の連帯保証人への影響
借入をした人が自己破産すると、連帯保証人に全額一括払いの請求がきます。連帯保証人が支払うことが難しいときは連帯保証人も債務整理を検討しましょう。
(監修者:弁護士 堀内良)