最終更新日:2025年9月30日
千葉県大網白里市北横川在住の和田様(仮名)の解決事例
借入総額
450万円→ 0円
毎月の返済額
月額18万円→ 0円
ご相談までの背景
和田さん(仮名)は、ご両親の介護のために離職し、ご自身の貯蓄を取り崩して生活していました。
その後、遺産を相続したものの、知人への出資金300万円が回収不能になるなど不測の出来事が続き、資産が減少しました。最終的に貯蓄が尽き、生活費のために借入れを開始しました。
当初は銀行カードローンなどを利用していましたが、返済のために借入れを繰り返す多重債務状態に陥りました。再就職をしたものの、月18万円の返済は困難で、借金は膨らむ一方でした。
ついに新たな借入もできなくなり、返済が完全に行き詰まった状態で、よつば総合法律事務所へ相談にいらっしゃいました。
和田様の状況のまとめ
- 債務総額は約450万円
- ご両親の介護で離職し、貯蓄と遺産を切り崩して生活
- 知人への出資金300万円が回収不能
- 貯蓄が尽きた後、生活費のために借入を開始

解決までの流れ
1. 出資金の調査
和田さんは新規事業に300万円の出資をしていましたが、様々な経緯があり事業自体が頓挫しました。
和田さんには300万円を返還してもらう権利がありそうですが、出資の契約内容が判然とせず、300万円の回収可能性などを詳しく調査する必要がありました。
そのため、簡易な破産手続きである「同時廃止事件」ではなく、破産管財人が選任される「管財事件」で手続きを進めることとなりました。
弁護士は、管財人の調査が円滑に進むよう、出資に至る経緯や相手方の資力に関する情報をまとめた詳細な報告書を事前に作成し、裁判所に提出しました。これにより、スムーズに破産手続きを進めることができました。
2. 免責不許可事由がないことを説明
和田さんには、過去に証拠金取引や長年の宝くじ購入といった、裁判所から「浪費又は賭博その他の射幸行為」と判断される可能性のある事情がありました。
「浪費又は賭博その他の射幸行為」によって多額の債務を抱えてしまった場合、原則として借金が免除されません(免責不許可事由)。
もっとも、和田さんの借入れの主たる原因は生活費にありました。また、証拠金取引は、貯蓄があった期間のみ行っており、借入れが本格化してからは一切行っていませんでした。
そこで、弁護士は、裁判所と破産管財人に対して、次のとおり説明を行いました。
- 証拠金取引は全て貯蓄から行われたものであり、本件債務の形成とは関係がないこと
- 借入れの主たる原因は生活費であり、借金の総額や生活全体の状況から見て、宝くじの購入が直接の破産の原因にはあたらないこと
その結果、裁判所も破産管財人も「免責不許可事由には該当しない」と判断し、問題なく手続きを進めることができました。
3. 家賃滞納による強制退去の回避
和田さんは、相談にいらっしゃった時点で数か月分の家賃滞納があり、このままでは住居を失う可能性がありました。
そこで、弁護士が速やかに管理会社に連絡し、滞納分に関しては破産手続き上支払うことができないこと、今後の家賃については遅れることなく支払うことを説明しました。
その結果、和田さんは、しばらくは同じ住居に住み続けることができました。
4. 免責許可決定
債権者集会において、破産管財人から免責不許可事由がないとの意見が出され、最終的に裁判所は借金全額の支払いを免除する免責許可決定を出しました。これにより、和田さんは約450万円の借入れから解放され、生活再建への一歩を踏み出すことができました。
相談時:450万円→手続き後:0円
相談時:18万円→手続き後:0円
弁護士のコメント
1. 浪費などがあっても免責不許可事由にあたらない場合がある
破産法は、一定の事由がある場合、原則として借金を免責しない「免責不許可事由」を定めています。たとえば、浪費に関しては、次のような規定が定められています。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
全くの浪費や射幸行為がないという人は珍しいです。そのため、浪費等が少しでもあると免責不許可事由にあたり、原則として借入れを免責しないとなると、破産のハードルが高くなってしまいます。
そのため、破産法は、浪費等によって「著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」場合に限って免責不許可事由に該当するという規定が定められています。
本件でも、借入れの主たる原因は生活費だったことから、「著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」とまでは言えず、免責不許可事由はないと判断されました。

本解決事例についてのご質問と回答
「管財事件」と「同時廃止事件」の違いは何ですか?
両者の違いは、破産管財人が選任されるかどうかです。
破産手続きの原則は管財事件であり、破産管財人が選任されます。もっとも、例外的に破産管財人が選任されない「同時廃止」という手続きで破産手続きを進められる場合があります。「同時廃止」とは、破産手続きのスタートと同時に手続きを終了させる(破産手続開始決定と同時に破産手続を廃止させる)という意味です。
どちらの手続きになるかは、個別の事情によって最終的に裁判所が判断します。
① 管財事件
一定以上の財産がある場合や、浪費などの免責調査が必要な場合に、裁判所が破産管財人を選任して行う手続きです。破産管財人は、財産を調査・換価(現金に換えること)して債権者に配当したり、免責を認めてよいかを調査したりします。
② 同時廃止
一定以上の財産がなく、免責不許可事由がない場合など、特に問題がないケースで適用される簡易な手続きです。裁判所での手続きも書面審査が中心で、比較的短期間で手続きが終わります。
破産管財人とは何ですか?
破産管財人は、裁判所によって選任される中立・公正な立場の弁護士です。
主な役割は次のとおりです。
① 破産する方の財産を調査・管理・換価して債権者に公平に配当すること
② 免責不許可事由がないか調査し、免責を認めるべきかについて裁判所に意見を述べること
決して破産する方を責めたり、追い詰めたりするために選任されるわけではありません。
管財事件にはデメリットが多いのではないでしょうか?
「管財事件」と聞くと、何か特別な問題があるように感じ、不安に思われるかもしれません。
たしかに、管財事件は、管財人への費用(引継予納金)が必要になります。また、破産管財人との面談が必要であり、債権者集会に出頭する必要もあります。また、同時廃止より時間もかかってしまいます。
しかし、管財事件は、破産法上の原則的な手続きであり、公平かつ透明に破産手続きを進めるための制度です。
免責不許可事由が認められ、本来であれば借金が免責されない場合であっても、破産管財人の調査を経て、裁量免責(裁判所の判断により特別に免責が認められること)となる可能性もあります。
そのため、管財事件はデメリットばかりではありません。
管財事件の費用はどのように用意すればよいのですか?
通常の個人の管財事件の場合、弁護士費用とは別に20万円を納めることが多いです。そのため、管財事件で申し立てをする場合は、それまでに20万円を用意しておく必要があります。
弁護士が各債権者に受任通知を送った後は返済が停止するため、返済に回していたお金を積み立てて20万円を用意していただくことが多いです。
一方で、同時廃止で申し立てをしたとしても、裁判所の判断により管財事件に移行する場合があります。この場合は、可能な限り早期に20万円を用意する必要があります。
過去に浪費があるのですが、免責されますか?
過去に浪費があったとしても、免責される可能性はあります。
借入れに占める浪費の割合が少なければ、そもそも免責不許可事由に該当せず、同時廃止で免責になる可能性があります。
また、仮に免責不許可事由に該当するとしても、管財人の調査に協力し、反省の態度を示すことで、裁判所の裁量により免責が認められる「裁量免責」の可能性もあります。
知人にお金を貸している(出資している)のですが、自己破産するとどうなりますか?
知人への貸付金や出資金は、財産として扱われます。そのため、財産目録に記載して申告する義務があります。
管財人が選任された場合は、管財人がその回収可能性を調査し、回収できる場合は回収をします。
もっとも、相手の経済状況などから回収が難しいと判断されれば、それ以上の追及はありません。今回のケースでも、相手方が無資力であるとして、回収は行われませんでした。
家賃を滞納しているのですが、破産すると退去を求められますか?
破産をする場合、家賃の滞納があっても、滞納した家賃を支払うことはできません。
破産手続きでは、全ての債権者を公平に扱わなければならないという原則があります。そのため、破産者ご本人が特定の貸主(大家さん)にだけ滞納家賃を支払うことは、禁止されています。
そのため、家賃の滞納がある状態のまま手続きが進んでいくことなり、貸主から退去を求められるケースが多いです。
この場合、親族や友人が直接滞納分の家賃を大家さんに支払う方法により、滞納分の家賃を解消することを検討します。
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(監修者:弁護士 米井舜一郎)






監修者:よつば総合法律事務所
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