千葉県鎌ヶ谷市 小川リサイクル株式会社様(仮名)
職種 | リサイクルショップ |
---|---|
従業員 | 2人 |
負債総額 | 5,000万円 |
債権者数 | 4社 |
担当弁護士 | 大澤一郎 |
実際の店舗でリサイクルショップを行う株式会社です。
創業後、金融機関からの借入をしましたが、その後、当初の予定通りに事業計画が進まず、数年で債務超過となりました。
会社及び個人が自己破産を申立しました。債権者は金融機関のみで、自宅は賃貸物件です。
事例のポイント
- 今後同業を継続するつもりはなく、他社で正社員として働く予定とのことだったため、通常のスケジュールで破産を申立しました。
- 破産の場合、違法行為を行っている場合を除いて、金融機関(銀行等)は特別手続に対して異議は述べません。そのため、金融機関だけが債権者の場合、手続がスムーズに進む可能性が高いです。
本解決事例についての質問と回答・解説
Q. 小規模な法人の場合の通常の破産手続きのスケジュールはどのようなものですか。
A. 小規模な法人の場合、会社の営業を全て終了させてから、破産手続きをスタートすることが多いです。具体的には次のような順番のことが多いです。
- 営業を終了させる。
- 弁護士が代理して破産手続きを開始する旨の通知を金融機関などに送付する。
- 破産申立のための書類を準備する。
- 裁判所に破産申立
- 管財人(裁判所の代わりに手続きを監督する弁護士)の事務所に行く。最低1回は行く必要がある。
- 債権者集会(裁判所での手続き)
- 手続き終了
Q. 破産手続きが終わっていなくても他社に就職して問題ないですか。
A. 問題ないです。
ただし、管財人事務所に行く日程、裁判所に行く日程など必ず行かなければならない日程があります。そのような日程の確保は最優先にしましょう。
本解決事例に関連する質問と回答・解説
Q. リサイクルショップが破産をする場合、どのようなことに注意すればよいですか。
A. リサイクルショップが破産をする場合、在庫管理と在庫処分が重要になってきます。
具体的には、在庫がきちんと残っているかという点、在庫をスムーズに処分して現金に換えられるかという点です。
また、リサイクルショップが賃貸物件を借りている場合、賃貸物件の明渡がスムーズに進むかどうかも手続きが円滑に進むかどうかのポイントになります。
Q. 銀行が破産手続きに対して強硬に反対をしてくることはありますか。
A. あまりありません。
財産を隠していると疑われるような例外的な場合、銀行は強硬に反対をしてくることもあります。
他方、大多数の場合、銀行は粛々と手続きを進めていきます。
Q. 今後同じような業種の仕事を続ける場合と続けない場合で何か違いはありますか。
A. 法律的な意味での違いはあまりありません。
今後、同じような業種の仕事を続ける場合、同業者に対する極端な不義理はしない方がよいでしょう。
Q. 法人の破産でトラブルになる事例はどのようなものがありますか。
A. 財産を隠すのが一番トラブルになります。
裁判所で免責不許可になったり、詐欺破産という犯罪になって警察に逮捕されたりする可能性もあります。
また、特定の人だけに返済するというのもトラブルになります。破産手続きの中では、返済してもよい相手、返済してもよい債務などが細かく定められています。
例えば、破産する旨の通知を弁護士が一斉に送付しているにもかかわらず、その後に同居の家族にだけ借りたお金を返済するというのは典型的なやってはいけない行為です。
- ※プライバシー保護のため、所在地・法人名・従業員数・負債総額・債権者数その他事実関係は、事例の趣旨に影響を及ぼさない範囲で変更してあります。